「おでん」と言えば、日本全国庶民の食べ物として親しまれておりますが、その歴史は室町時代の焼き豆腐に味噌をつけた「田楽」に始まります。江戸時代には煮込んで食べるようになり今日に至るようです。永い歴史の中で地方独特の食べ方が発達しましたが、生姜味噌で食べる「青森生姜味噌おでん」もその一つと言えましょう。これは、戦後、古川から青森駅にかけて雨後の竹の子のように出来た屋台(闇市)で供されていた「おでん」に由来すると言われています。
冬の厳しい寒さの中、青函連絡船に乗り込もうとする船客の体を少しでも暖めようと、ある一軒の屋台のおかみさんが味噌に生姜をすりおろして入れたのが喜ばれ、広まっていったようです。
青森を訪れる人に青森の魅力をどう表現し、どう伝えるかを考えると、やはり、四季折々のもの、山の幸、海の幸と食材豊かな青森の地場産品を生かしたものを食し、持ち帰って頂く。それにつきると思います。
私たちは、「青森生姜味噌おでん」を当地の食材文化として再認識し、名物として広め、更には「青森はおでんの街」といわれるまで発展することができれば、まさに地域活性化につながっていくのではないかと考えております。
「青森生姜味噌おでん」を全国に向けて発信し、全国からお客様を迎える態勢を確立する。そのためには、関係する事業者が連携して事業を展開することが重要であります。
個々の事業者では取り組めないことでも、協同で力を結集することにより実施できることがたくさんあるという思いから、私たちは「青森おでんの会」を設立し、ともに活動していくことといたしました。
豊かな海の幸、山の幸に恵まれた当地の資源を生かし、新しい食文化の創造と地域の健全な発展を目指してまいりたいと考えております。
どうか以上の趣旨に深いご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。